読後感

水戸医療センター
ST吉田真由美様

国際医療福祉大学言語聴覚障害学科
教授伊藤元信様


 最近、私は学生や若いSTたちに、『相手の身になると言うことがどれだけ難しいことか』を説いている。自分の心の内さえ、時には困惑するのであるから、人の身になるなんて、とてつもなく難しいに決まっている。
 発病は誰でも初めての経験であり、失語症という後遺症を背負うというのもしかり。驚愕・困惑・怒り・絶望など様々な感情を伴う。そして行き着く先は『絶望』か、『希望』。このどちらになるかが残された人生に大きく関与するのだ。
 後藤さんの書かれた体験談は、まさにこれらの感情が混沌として恐怖感に苛まれていたのがよくわかる。PCの専門家として自立に至った後藤さんしか知らなかった私は、これを読んで、よくぞ今に辿り着けたものだと、ため息と共に感嘆してしまった。臨床家として出来たであろう援助がそこここに垣間見える。『臨床家の当たり外れ』などと言われないように、少しでも経験や知見を積み、人間性豊かな臨床家がたくさん育って欲しいと思う。他人の心の内は、なかなか見えにくいものであるから、経験のない者が想像することはとうてい困難極まる。沢山の臨床に従事する方々に手にとって貰いたい一冊である。

 「やる気にさせた? 失語症とパソコン」ありがとうございました。
 後藤さんの苦悩のあとがしのばれます。

友人
杉本賢治様


 赤裸々なご闘病記に、へーそんな風になるのか、これは大変だな、とオドロキ、感嘆することしきりでした。
 あらためて貴兄と奥さんのご苦労の一端を覗かせていただきました。
 よく本にまとめられましたね。リハビリもよく頑張られました。 パソコンの勉強ぶりにも敬服です。

読者
匿名様


 「やる気にさせた?」には本当に頭が下がりました。
  瑞々しい文学紳士のように失語症を的確に観察され、多くの後輩達に偉大な道しるべを残されたことに。
 
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